感じたまま 思ったままに。


by rio-dasu
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パフューム ある人殺しの物語り

d0111514_15453539.jpg監督 トム・ティクヴァ
出演 ベン・ウィショー 、ダスティン・ホフマン 、アラン・リックマン 、レイチェル・ハード=ウッド

18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。 (シネマトゥデイ)


映画の冒頭では吐き気がした。
目も開かない赤ちゃんが鼻をヒクヒクさせているのも不気味だった。

セリフが極端なまで少なく、表情のない主人公とその生い立ちを淡々と述べていくナレーション。
彼が自発的に行うのは、自分を取り巻く全てのものの香りを、嗅ぐ、嗅ぐ、嗅ぐこと。
臭い、匂い、におい・・・・・・・・・・・
スクリーンからはどんなものの香りも香って来ないのに、一緒に嗅いでいるような気になって、
益々気分が悪くなってきた。

それでも2時間半があっと言う間だった。
不思議な映画だった。

神か悪魔かわからないけど、グルヌイユはある種の選ばれし者だったのだろう。
とりつかれたように重ねた殺人も彼にとってはまさに「必要」だったから。
彼の生きている目的、生きている意味、それはただ一つ。
その香りをこの手で作りあげることだと思った。

それを手に入れたあとは、だからできればそのまま断頭台の露と消えて欲しかった。
彼が生まれてきた意味そのものともいえる、香水のひとふりに群集がひれ伏した、
それだけで充分じゃない・・・・と思った。

TVのCMで流れている、衝撃的なシーンは確かに衝撃的だったし、
彼の最期もキツネにつままれたような感じだったけど。

愛を与えられなかった者は愛を知ることはないのだとしたら、
この世に生まれた時に母の手に抱かれることもなかったグルヌイユは愛を知らぬものだったのだろう。

母の胎内から産み落とされたのを自分を取り巻く匂いで感じたグルヌイユ。
香りの中に愛を求めていたのだろうか。

それなら彼は自分が求めてやまなかった愛を最期に自分の生まれた場所に
見つけることができたのだろうか。

何度も観たいと思わせる映画ではない。
でも、いつまでも心に残る映画だと思う。
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by rio-dasu | 2007-03-13 17:00 | 映画